ドル円は一時114円超えも、パウエル議長発言で下落

ドル円は一時114円超えも、パウエル議長発言で下落
東京時間:-ドル円は113円台後半でオープン。日経平均は3日連続でギャップアップしてのオープン、引けにかけて総じて堅調に推移したことも追い風となり、ドル円は113円台後半で底堅く推移。欧州時間:-特段材料のない中で、ユーロがじりじりと値を下げ、対ドルで1.1270近辺まで、対円では128円30銭近辺まで下落。ドル円は、ドル買い・円買いが進んだ形となり、水準をほとんど変えることなく113円台後半で推移。NY時間:-パウエルFRB議長の講演を前にドル買いが進み、ドル円は114円超えを示現。しかし講演(発言内容は次頁参照)が始まると、流れは一転し、為替はドル売りが強まり、ドル円は113円45銭まで急落。ユーロは対ドルで1.13台後半まで上昇した。引けにかけては、ドル売りも一服し、パウエル議長の発言で米株が堅調に推移する中、ドル円は113円60銭近辺で推移した。

東京時間のドル円は113.79レベルでスタート。午前中は狭いレンジでもみ合う中で113.75まで小緩む場面が見られたものの、午後に入り日経平均株価が堅調に推移したことで、ドル円は113.90まで上昇。その後は高値圏でもみ合い、113.88レベルで海外市場に渡った。ロンドン市場のドル円は、113.87レベルでオープン。FRBパウエル長官のコメントを米国時間に控えドル円は狭いレンジで推移し、113.81レベルでNYに渡った。ユーロドルは、1.1300レベルでオープン。欧州時間朝方、EUによるイタリアへの制裁措置がクリスマス前に開始する計画だと関係筋の話として報じられた事を受け、ユーロは終始売られる展開に。一時1.1267まで低下し、1.1288レベルまで戻してNYへ渡った。海外時間のドル円は、パウエルFRB議長の講演を控え様子見ムードが強く、113.72-113.90の狭いレンジで推移し、113.81レベルでNYオープン。朝方発表された米7-9月GDP改定値は市場の予想通りでドル円の反応は限定的。その後、米金利・米株の上昇にサポートされ、11月14日以来の114円台乗せとなり、114.03まで上値を切り上げる。注目の講演でパウエルFRB議長は、「政策に規定路線はなく、金利は中立レンジをやや下回る」、「利上げの影響は不確実で顕在化に1年以上かかる可能性がある」と発言し、金融政策引き締めに慎重になっているとの見方が強まったことから、ドル売りが進み113.45まで急落。前日安値や20日移動平均を控えるこの水準では買い戻しが入り113.77まで戻すが、すぐに反落。今週はFOMC議事録発表やG20首脳会談も控えていることから、終盤は小動きとなり113.67レベルでクローズ。一方、ドムブロフスキスEC副委員長がイタリア予算案は大幅な修正が必要との見解を示し、依然イタリア問題への不透明感がくすぶる中、海外時間のユーロドルは上値重く1.12台後半でもみ合い、1.1288レベルでNYオープン。朝方は海外時間の流れを引き継ぎ1.1280近辺で小動きとなったが、その後パウエルFRB議長の発言に1.1370まで急上昇。ユーロ円の上昇にもサポートされ、1.1387まで高値を更新するが、1.14台手前で反落。終盤はじり安推移となり、1.1366レベルでクローズ。

本日ドル円は113円台で狭いレンジで推移をすると予想
昨日はパウエルFRB議長からハト派寄りの発言があったものの、ドル売り・円売りともに強まったことでドル円はあまり水準を変えていない。次のマーケットの注目は今週末のG20、米中首脳会談に移っていく時間帯になり、米中絡みのヘッドラインに振らされる局面が増えそうだ。また、月末なので需給に振らされることもあろうが、茲許ドルと円は同方向に動きやすいことに鑑みると、現状スポット水準から大きくレンジを変えることはないと思われる。

昨日、ドル円はおよそ2週間ぶりに114円台に乗せたものの、ニューヨーク経済クラブで行われたパウエルFRB議長の講演を受けて113円台半ばまで急落。その滞空時間は短いものとなった。講演において議長は、「政策金利は中立金利をやや下回る水準にある」との認識を示し、「金融政策についてあらかじめ決まった方針はなく、経済指標、金融情勢で判断する」とした。10月3日にワシントンDCの会合に参加した際は、「現時点ではおそらく、中立金利まで長い道のりがある」とし、「米経済が拡大を続ける中で、想定される中立金利を上回る水準に政策金利を引き上げる可能性がある」と述べているが、この2ヶ月足らずの間に金融政策に対する認識が変化したことを示した格好となった。足もと、米国経済については住宅関連指標をはじめ、減速の兆しともとれる結果が見られるなか、米国の利上げサイクルの終了も近いとの見方が出始めており、米国の金融政策の方針転換を巡る思惑は今後ドル円の上値を押える要因となり得るものと考える。また、通商問題を巡っては月末のG20での米中の交渉に注目が集まっているが、足もとでは米自動車大手の人員削減減産を含む北米事業再編を受けて、トランプ大統領が自動車関税の導入を検討しているとの報道もあり、年明け以降米国との物品貿易協定(TAG)が始まる本邦への影響も懸念すべきところ。これらを踏まえれば、ドル円のリスクはダウンサイドにあるものと見ており、今後中期的に上値を切り下げる展開を想定している。

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