良好な雇用統計で、ドル円は再び113円台へ

良好な雇用統計で、ドル円は再び113円台へ
東京時間:日経平均株価が寄付きからプラス圏で推移し、ドル円も連なる貌で112.80円台まで上昇。ユーロ円は128円半ば近辺での推移。午後、米中貿易に関する前向きなヘッドラインが出ると、リスクオン地合いへ。ドル円は113円台に回帰した。
欧州時間:欧州の経済指標(下記参照)が発表され、市場予想をやや下回る結果となるも、マーケットの反応は限定的。その後は東京時間の流れを引継ぐ貌で、クロス円の買い地合いが継続。ユーロ円は129.20円近辺、ドル円は112.90円近辺での推移となった。
NY時間:米雇用統計の良好な数字を好感し、マーケットは米金利上昇、ドル買いの反応。ドル円は113円近辺まで上昇。終盤にかけては、トランプ大統領から米中貿易に関する前向きな発言も後押しとなり、米金利続伸、ドル円は113.33円まで高値を更新した。

朝方一時112.56まで下落したドル円は、東京時間を112.74レベルでスタート。朝方は112円台後半での推移に終始するも、午後に入り、トランプ大統領が今月末に開催されるG20に合わせて米中貿易に関する合意草案の作成を指示したとの報道を受けてドル円は一時113.10まで上昇。その後も113円丁度付近での推移が続くなか、結局113.03レベルで海外に渡った。ロンドン市場のドル円は、113.03レベルでオープン。欧州株は全面高、米株先物も高値圏を推移したが、米10月雇用統計の発表を午後に控え、ドル円は小動き。112.89レベルでNYに渡った。ポンドドルは、1.3002レベルでオープン。英EUが金融サービス巡り暫定合意したとの英紙報道や、英中銀四半期インフレ報告で想定より速い利上げが示唆されたことを背景に、1.3042まで買われるも、一服後は、米雇用統計前の調整から売られ、結局、1.3023レベルでNYに渡った。ドル円は112.89レベルでNYオープン。朝方は、注目の米10月雇用統計で、非農業部門雇用者数変化が、前回分が下方修正される一方、予想を大きく上回り、8~10月の3ヶ月平均は21.8万人となり、平均賃金も前月比は0.2%と前回から伸びは鈍化したものの、前年比は3.1%と前回の2.8%から伸びており、労働市場の堅調さを背景にドル買いが強まり、113.03まで上昇する。その後は再びドル売りが優勢となり112.79まで反落する局面もあったものの、独通信社が「ECBは12月の理事会でTLTRO(Targeted Long Term Refinancing Operations)を検討する可能性」と報じたことから、ユーロドルが下落する動きに、ドル円は113.29まで上昇する。午後は、週末を控え高値圏での推移が続き、113.33まで上昇し、113.22レベルでクローズした。一方、ユーロドルは1.1446レベルでNYオープン。朝方は、米雇用統計結果を受けたドル買いに、1.1405まで反落する。その後1.1431まで戻す局面もあったものの、前述のECBに関するニュースを受け一気にユーロ売りが強まり、1.1372まで反落する。午後は、週末を控え狭いレンジでの推移が続き、1.1390レベルでクローズした。

米雇用統計で良好な数字を確認し、マーケットの注目は米中間選挙へ今週最大のイベントは6日(火)に予定されている米中間選挙。日本時間の7日(水)以降に順次結果が判明する。大方の予想は、上院が共和党、下院は民主党が過半数を奪回するシナリオだろう。波乱の結果とならない以上、政治イベント解放の安心感が広がり、リスクオンの地合いも想定される。中間選挙後は、市場の注目は再び金融政策へと移ることになろう。今週のFOMCは現状維持でノーイベントとなろうが、次第にドル円は日米金利差を背景とした底堅い推移になることを予想する。

月初、ドル円は1日に発表された10月米ISM製造業景況指数が市場予想を下回り6ヶ月ぶりの低水準となったこと等を受け軟調に推移。一時112円台半ばまで下落したものの、その翌日にはトランプ大統領が中国との通商問題について貿易合意の草案作成を指示したとの報道や、米10月雇用統計において雇用者数、賃金がともに良好な結果となったことから、113円台前半まで戻し、越週した。米中貿易合意草案作成報道を巡っては、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長がメディアのインタビューでトランプ政権が当局に草案作成を指示した事実はないと報道内容を否定したものの、その後トランプ大統領からは近く中国との貿易摩擦解消のための合意に達することを示唆する発言が出ており、同報道を巡る思惑は交錯する展開となっている。一部メディアでは「中間選挙前の株価浮揚策」との報道もされる中、本件に対する過度な期待は禁物であり、ひとまずは慎重に動向を見極める必要があるものと考える。米中間選挙については現状、上院は共和党、下院は民主党が過半数を占めるシナリオがコンセンサスとなっている。市場は同シナリオを織り込んでおり、民主党が下院の過半数を奪取することとなっても相場への影響は限定的となろう。予想に反して両院の過半数を共和党が維持することとなれば、相場にはポジティブな材料となりそうだ。ただ、これまでのトランプ大統領の動向を勘案すれば、いずれの結果となったとしても外交に対する強硬な姿勢は崩れるとは考え難い。来年以降始まるとされる日米物品貿易協定をはじめ、トランプ政権の通商交渉を巡る混乱が世界経済を迷走させるリスクも今後相応にあるものと見ており、中長期的にはドル円は軟化する展開を予想している。

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