ドル/円の底堅さは当面継続

東京時間のドル円は112.86レベルでオープン。日経平均株価の下落が重しとなり、一時112.72まで下落。予想比良好な中国製造業PMIが発表されるも値動きは限定的となり、その後は下げ幅を拡大する日経平均株価を横目にドル円は狭いレンジで推移。112.84レベルで海外に渡った。ロンドン時間のドル円は、112.84レベルでオープン。リスクセンチメントの好転を受けて円売りが強まり一時113.00まで上昇するも上値は重く、結局112.91レベルでNYに渡った。ユーロドルは、1.1344レベルでオープン。ブレクジットのヘッドラインでポンドが買われる中、昨日2カ月ぶりの水準まで下げたユーロにも買いが入り1.1404まで上昇し1.1395レベルでNYに渡った。ポンドドルは、1.2851レベルでオープン。昨晩からのブレクジット報道を受けてポンドに買いが入る展開に。途中、英・EU双方から一部報道への牽制が入り1.2850まで下落する場面もあったが終始堅調に推移。昼にBOEが金融政策据え置き、同時に発表したインフレレポートでは成長見通しを引き下げ物価見通しを引き上げたことを受け、一時1.2922まで買われ1.2902レベルでNYに渡った。NY時間のドル円は112.91レベルでオープン。朝方はドル売りが先行する展開に。その後やや戻す局面もあったものの、再びドル売りが強まり、10時に発表された米ISM製造業景況指数は、仕入れ価格が前回より上昇する一方、新規受注、雇用などは予想を下回り、112.63まで下落する。その後中国の習主席がG20でのトランプ大統領との会談に意欲的とのヘッドラインが伝わるものの、ドル円の反応は限定的となりドル売りが継続するなか、一時112.61まで下落。終盤に掛けては明日の雇用統計結果発表を控え、閑散な推移が続き、112.68レベルでクローズした。一方、ユーロドルは1.1395レベルでNYオープン。朝方は、1.1387まで反落する局面もあったものの、その後もドル売りが継続したことから1.1413まで戻す。午後は、ドル売りに一時1.1424まで戻し、終盤に掛けては調整から小緩み、1.1409レベルでクローズした。

10月はグローバルに株式市場が大幅な下落を記録するなか(NYダウ平均は▲5.1%安、ユーロ・ストックスは▲5.9%、日経平均は▲9.1%)、円は幅広い通貨に対し強含んだが、ドルも(対円は除くが)全般的には堅調であったため、ドル/円の下げは比較的限定されたものとなった。CFTC通貨先物円ショートポジション(non commercial部門)が2月以来の水準にまで膨らんでいたこと、ドル名目実効レート(Fed算出、BROADベース)が2月のボトムから10%超反発しており昨年1月の水準までの上昇を見せていること等を踏まえると、先月のような株の急落局面でドル/円は調整が大きく入っても不自然ではない状態であったと考えられたが、10月の動きからはむしろ底堅さを印象付けられた。一つには証券投資による影響を考えることができる。先月には大手生保勢の18年度下期運用計画が出揃ったが、為替ヘッジコストが拡大する状況(例えば、現状では「米10年物国債投資&3mthFWDでのヘッジ」はマイナスリターン)の下、機関投資家勢によるオープン外債投資への関心が、足許も、そして将来的にも高い状態といえるかもしれない(尤も、昨日発表された10/21週の対外証券投資の状況は、中長期債投資実績は「処分」超であり、その規模は2ヶ月超ぶりの大きさではあったが)。また、直接投資も昨年に続いて堅調であり、これも円安材料として無視できない。財務省のデータによると、過去最高を記録した2017年ほどではないが、それに近いボリュームで2018年も積み上がっていることが確認できる。加えて、サウジアラビア人記者が殺害された事件が発端となり、「中東の地政学的リスクの高まり→センチメント悪化→円高」というシナリオ予想も聞こえてくるが、「原油価格上昇→本邦貿易赤字拡大→円安」という逆の帰結も十分想定され得る。また、昨日もそうだが、ここもと英ポンド/ドルやユーロ/ドル等におけるドルの強弱がそのままドル/円の方向性を決める(=「ドル相場」となる)局面が多々あるが、その意味では、ドル/人民元の大きな節目である7.0が遠くない現況下、ドル/円でのドル高リスクも警戒される。総合的に考えて、ドル/円の底堅さは当面継続する公算が大きそうだ。

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