緩やかな上昇トレンドラインに沿った底堅い推移の継続

東京時間、112.34レベルで取引を開始したドル円は前日からのUSD買いの流れを引き継ぎ堅調推移。その後、トランプ米大統領の「対中貿易ですばらしい取引見込む」との発言を受け日経平均が上昇幅を拡大したことも追い風となり日中高値となる112.74まで上昇し112.72レベルで海外に渡った。ロンドン市場のドル円は、112.72レベルでオープン。アジア時間のドル買いを引き継ぐ流れ。112.94まで上昇しそのままNYに渡った。ユーロドルは1.1375レベルでオープン。ドル買い相場の中で軟調推移する中、第3四半期のユーロ圏GDPが予想を下回ったことを受け1.1345まで下落幅を拡大し1.1347レベルでNYに渡った。ポンドドルは1.2800レベルでオープン。引き続きブレクジット停滞ムードで上値が重い中でドル買いも追い風となり一時1.2729まで下落し、1.2740レベルでNYに渡った。海外市場のドル円は終始堅調に推移。日経平均株価の上昇に支られたほか、トランプ米大統領が米中貿易交渉に対し「素晴らしい取引を見込む」と述べたことから、リスク回避ムードが和らぎ112.94まで上昇し、112.94レベルでNYオープン。米8月ケースシラー住宅価格指数(20大都市圏)が予想を下回り112.78まで反落。その後発表された米10月消費者信頼感は予想を上回ったが、ドル円の反応は限定的。材料難から112.80近辺でもみ合う展開が続いた後、NY午後はトランプ米大統領の発言が再び意識され、米金利が上昇し米株が上げ幅を拡大する中、再度ドル買いが強まり113.15まで上昇し、113.13レベルでクローズ。海外市場のユーロドルは1.1370近辺で小動きが続くが、NY早朝に発表されたユーロ圏7-9月GDPが予想を下回ったことから、ユーロ売りが強まり1.1341まで下落。その後、小幅に値を戻し、1.1347レベルでNYオープン。NY朝方は海外時間のユーロ売りが巻き戻され、1.1382まで上昇。しかし、米格付会社大手が「合意なきブレグジットリスクが英国の信用格付けに影響するほど高まった」と述べており、ポンドの下落に連れ安となり1.1340まで下落する。ほかにドイツ政局不透明感への懸念がくすぶる中、安値圏での推移が続き、結局、1.1342レベルでクローズ。
10月は主要通貨に対して継続的に円が強さを見せた。10月初めにはドル円は一時114.55まで上伸したものの、米金利上昇や中国不安に伴う世界的な株安、世界各所での地政学リスクの高まりなどを受けて円買い圧力が高まった。他方、10月の主要通貨に対する米ドルは序盤にドル高、大幅な米株安の影響で第2週目にはドル売りが先行したが、中旬以降は持ち直してドル高地合いを維持している。円は第2週目に他主要通貨と比較し大きくドル安/円高となり、その後はドルが主要通貨に対して持ち直す中でも、ドルと円は綱引き状態で膠着。終盤には株安を受けて円買いが強まる場面も見られたが、反発も早くドル円は本日日本時間6時時点で113円台へ上伸している。米中貿易摩擦、日米通商協議、英国のEU離脱、イタリアの財政問題、サウジアラビアを巡る情勢への懸念など、地政学リスクに関するトピックが複数燻っている。しかしながら、良好な米経済データが確認されている現在の環境下においては、依然として米ドルが選好されると思われ、また10月に大きく下落した米株(月初来変化幅:SP500▲231.35(▲7.9%)NYダウ▲1,583.67(▲6%))の調整が一巡し割高感も解消されれば、米金利上昇に対しても警戒感を必要以上に持つことはないと思料する。他方、欧州圏の政治リスクもドルをサポートするだろう。昨日発表された3Qユーロ圏GDP、伊GDPは共に事前予想を下回り伊国債利回りは上昇した(伊3QGDP:結果+0.8%、予想+1.0%、前回+1.2%)。来年度の成長率を1.5%と予想している伊政府において、現時点では財政赤字削減への道筋は依然として険しいとの印象も拭えない。また、英国についても、昨日米大手格付機関から、EUからの“合意なき離脱”時におけるリセッション懸念が示されるなど、EURやGBPが売りポジション優勢と考えられる中、相対的にドルが選好されやすい地合いは継続すると予想される。ドル円については短期的にはドル高/円高地合いの中において、緩やかな上昇トレンドラインに沿った底堅い推移の継続をメインシナリオとしたい。

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