急激にリスクオフが織り込まれていく可能性がある

東京時間、111.92レベルで取引を開始したドル円は月末のスポット応答日であることから実需の買いフローが意識される中、112.04まで上昇。その後、日経平均株価が下落する中、ドル円は安値111.78まで反落。その後は112円台を回復する場面も見られたが、111円台後半をメインとして狭いレンジでの推移となり、111.87レベルで海外に渡った。ロンドン時間のドル円は終始上昇基調で推移。111.87レベルでオープン後、欧州株が堅調に推移したことを背景に東京時間のリスクオフセンチメントが小幅ながら回復。ドル買いの流れになったことで一時112.44まで上昇し、112.39レベルでNYに渡った。ユーロドルは1.1398レベルでオープン。大手格付会社がイタリアの格下げを見送ったことや欧州株の反発上昇にサポートされ1.1412まで上昇するが、「メルケル独首相が次期党首選に出馬しない」との報道が伝わり、ドイツ政局不安からユーロ売りの流れとなり安値1.1361まで反落。その後「メルケル首相が続投希望」とのヘッドラインに反応し、高値1.1416まで反発。その後はドルの上昇を背景に上げ幅を縮小し、1.1395レベルでNYに渡った。海外市場のドル円は日経平均の下落に圧迫され一時111.78まで下落するが、その後欧州株の堅調推移を背景にリスク選好ムードが強まり、米金利・米株先物の上昇とともに再び112円台を回復。112.44まで上昇し、112.39レベルでNYオープン。NY朝方は米9月個人所得が予想を下回り、個人支出が予想と一致する一方、前回分が上方修正、またPCEコア(前月比)が予想を上回る。強弱混在の結果にドル円の反応は限定的。その後、米10年債利回りが3.1%台を回復する動きを横目に高値112.56まで上昇。しかしNY午後は米株がマイナス圏に沈む動きに連れ安となりドル円は反落。関係者の話として「11月の米中首脳会談が不調で終わった場合、米国は新たな対中関税を計画」との報道が伝わり112.19まで続落。NY終盤は小幅に値を戻し、112.38レベルでクローズ。一方、ユーロドルは1.1395レベルでNYオープン。NY朝方は米金利の上昇を背景にドル買いが強まったほか、メルケル首相が12月の次期党首選に出馬しないことを記者会見で表明したことからユーロが売られ1.1369まで下落。このレベルではユーロの買い意欲も見られる中、1.1400まで上昇するが、結局1.1372レベルでクローズ。
7-9月期米企業決算は全体でおよそ25%程度の増益と堅調な結果となっているが、米中貿易問題を受けた業績見通しの下方修正が相次ぎ、米株は下落局面が継続している。2月の米株急落局面では減税を背景とした企業の楽観的な見通しが株の反発要因となっていたが、同じ経路を辿って株価が回復するのは難しいだろう。米政府が追加の対中関税を検討とのHLや、業績見通しの悪化を受けてグロース株からバリュー株へ投資家選好がシフトしている点を鑑みても、米株の軟調さはまだ継続しそうである。今次の株価下落局面における通貨別騰落率を見ると、G10通貨に対しては円高・ドル高の傾向が顕著であるが、為替市場全体を見渡すと様相が異なる。同期間に最も買われたのは年初来売り込まれていたTRYであり、その他INR・RUB・ARSといったこれまでパフォーマンスの悪かった新興国通貨が対円で上昇しており、通常のリスクオフ時の値動きとは異なっている。最も売られた通貨が年初来最強通貨であったMXNであることを考えると、為替市場においてリスクオフはそれほど強まっておらず、足許の動きはポジション調整によるものが強かった印象も受ける。米中間選挙を来週に控えて積極的にポジションを傾けにくい状況であることを考えると、足許のドル円は現行のレンジを割り込む可能性は低い。しかし、米企業が懸念し始めているように、米企業の景況感悪化/それに伴う投資手控えや消費の落ち込みが経済指標に影響を与えると、為替市場でも急激にリスクオフが織り込まれていく可能性がある点には警戒したい。

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