相場観:米雇用統計の結果を受けて、ドル円は111円台を回復

相場観:米雇用統計の結果を受けて、ドル円は111円台を回復
東京時間のドル円は110.49レベルでオープン。前日海外時間にトランプ大統領が日本との貿易関係について不満を語ったことを材料にアジア時間から円高地合いとなるなか、序盤に110.38まで下落。しかし、米雇用統計を控えた週末ということもあって下値トライは継続せず、円買い一巡後は110.60付近まで反発した。その後は方向感なく推移し、110.64レベルで海外時間に渡った。ロンドン市場のドル円は、110.64レベルでオープン。米雇用統計を控え、様子見ムードの中、ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁が利上げ継続の必要性を述べたことで110.89まで上昇し、110.85レベルでNYに渡った。ユーロドルは、1.1638レベルでオープン。クーレECB専務理事の発言「ユーロ圏にはリスクが山積している」から、出口観測が遠のくと、1.1600に低下。1.1610レベルでNYに渡った。ポンドドルは、1.2942レベルでオープン。英国法に準拠するドイツ域内法人(8千から1万社)を独政府が支援するとのヘッドラインや、EUのバルニエ首席交渉官が、国境に関するバックストップ(安全装置)を巡り、通関等「簡便化の用意がある」と発言。さらに「ノー・ディール・シナリオは我々のシナリオではない」「英政府策定のEU離脱白書の一部は有用」等から、1.3029まで買われる。一服後は米雇用統計を前に小緩み、1.2987レベルでNYに渡った。昨日のNY時間に伝わったトランプ大統領の対日貿易に対する不満を受け、海外市場で円買いが強まり、110.38まで下落したドル円は、その後は週末であることや米雇用統計結果発表を控えリスク回避の動きが後退したことからじりじりと値を戻し、110.85レベルでNYオープン。米8月雇用統計は、賃金が予想以上に上昇したことから、ドル円は上昇。その後、反落する局面もあったものの、ローゼングレン・ボストン連銀総裁が「緩和的である必要がない。」等のタカ派な発言やカプラン・ダラス連銀総裁が労働市場の逼迫が全米各地で見られるなどの発言もあり、111.25まで上昇する。しかしトランプ大統領が、「2000億ドルに追加で、中国に2670億ドルの関税をかける準備ができている」と話したことが伝わったことから、株式市場が急落する展開に円買いが強まり、110.74まで下落する。終盤に掛けては、株式市場が下げ幅を縮小する中、ドル円も下げ渋り111.00レベルでクローズした。一方、ユーロドルは独鉱工業生産が予想を下回る一方、前回分が上方修正され、仏鉱工業生産が予想を上回り、強弱混在の内容に海外市場で狭いレンジでの推移が続き、1.1610レベルでNYオープン。朝方は、米雇用統計結果を受けたドル買いに1.1562まで下落する。その後やや買い戻される局面もあったものの、前述のトランプ大統領の発言を受け、ユーロ円が下落する展開に連れ安となり、またリスク回避からドル買いが優勢となったことから、1.1551まで下落し、1.1554レベルでクローズした。先週のドル円は110円台後半から111円台前半を中心とした値動きとなった。米国におけるカナダとのNAFTA交渉や中国に対する追加関税の有無、そして週後半はトランプ米大統領の対日貿易における発言がドル円の上値を重くした。一方注目されていた米雇用統計については、失業率こそ横ばいであったものの、非農業部門雇用者数が予想19.1万人に対し結果20.1万人、さらに平均賃金の伸びは前年同月比予想2.7%に対し結果2.9%となり約9年ぶりの高い伸びを記録したことから、今月25・26日に開催のFOMCにおける利上げ実施を後押しする結果となったと言えよう。先月発表された物価関連指標やGDP等の米国経済指標の結果からも米国景気拡大期間はさらに継続するものとみられ、これが大きなドル買い要因となろう。これまでの「有事のドル買い」のみならず、米国の力強い経済成長を起因としたドル買いという構図をも今後支えるものと考えられ、このことでドル円の大きな下落には繋がりにくい相場展開が続くとみている。ただし、米国の通商問題が懸念材料であることには変わらない。特に今月においては日米首脳会談と合わせ、第2回FFRの開催が予定されている。第1回目でこそ詰めた協議が為されなかったものの、今回は自動車関税等で米国が貿易赤字を削減すべく、日本に対し強硬な要求を突きつければ、結果的にこの通商協議において円高リスクが高まる点は留意すべきであろう。こうしたイベントを控える状況下、ドル円は底堅いながらも上値は追いづらく、レンジ内で上下に振らされる展開が今週も継続するものと予想する。

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