相場観:ドル円は111円近辺での小動きに終始

ドル円は111円近辺での小動きに終始
東京時間のドル円は110.92レベルでオープン。中国の8月CPI、PPIは事前予想を若干上回ったものの、相場に対する反応は限定的で、特段の材料もない中111円近辺で動意に乏しい展開。20銭程度の狭いレンジでの推移となり、110.95レベルで海外に渡った。ロンドン市場のドル円は、110.95レベルでオープン。米中の貿易摩擦の懸念がくすぶる中、ドル円は動意薄の展開で110.93-111.15狭い値幅での取引だった。欧州株が上昇する中でやや円売りが見られ、111.10レベルでNYに渡った。ユーロドルは、1.1554レベルでオープン。立ち上がりはアジア時間のドル買いが続き一時1.1525まで売られたが、イタリア国債金利が低下したことなどからセンチメントが好転し欧州株が買われると反転、ユーロ買いとなった。1.1584まで買い戻され1.1572レベルでNYに渡った。ポンドドルは、1.2920レベルでオープン。アジア時間の流れを受けて程なく1.29の大台を割り込み1.2898まで下落。しかし朝方発表の英7月鉱工業生産は若干予想を下回ったが、7月の英GDPが約1年ぶりの高水準となったことを好感し一時1.2957まで買われる。その後は伸び悩み1.2939レベルでNYに渡った。ドル円は111.10レベルでNYオープン。本日は主要な米経済指標の発表が予定されていない中、朝方はEUのバルニエ主席交渉官が6~8週間以内にブレグジットディールが現実的になるとの見解を示したことから、ポンド円が急伸する展開に111.19まで上昇。その後一旦111.03まで反落するが、午後は、狭いレンジでの推移が暫く続く中、「米国はトランプ大統領と金委員長の会談の調整準備中」とのヘッドラインが伝わったことから、111.24まで上昇し、111.12レベルでクローズした。一方、週末にイタリア財務相の「債務負担が削減が同国の市場におけるポジションの鍵である」等、債務圧縮を強調するような発言が伝わったことから海外市場で下げ渋ったユーロドルは、1.1572レベルでNYオープン。朝方は、前述のバルニエ氏の発言を受けユーロ買いが強まり、1.1617まで上昇するが、明日の独ZEW景気期待指数や木曜のECB理事会を控え、その後は1.16ちょうど付近での推移が続き、1.1595レベルでクローズした。足もとドル円相場は110円近辺での方向感のない推移が継続しており、特に5月以降膠着感が強まっている状況。通商問題の激化や、新興国からの資金流出等、リスクセンチメントを悪化させるような場面が度々見られたものの、そのような局面において、円高とともに堅調な米国経済を背景にドル高も進行していることが要因として挙げられる。先週発表された米国の経済指標も総じて良好な結果であることが確認できた。8月のISM製造業景況指数は61.3とおよそ14年ぶりの高水準となり、同非製造業景況指数についても58.5と市場予想を上回る結果となっている。また、8月の米雇用統計では雇用者数は前月比20万人を超える増加となり、失業率も低水準を維持。平均時給についてはおよそ9年ぶりとなる水準まで上昇している。力強い米経済は引き続きドル円のサポート材料となろうが、米国が仕掛ける貿易戦争は未だその先行きが不透明な状況。先週はトランプ政権が通商問題の矛先を日本にも向けつつある可能性を示唆し、対中国においても新たに2670億ドル相当の輸入製品に対して追加関税を課す用意があることを明らかにしている。米中の交渉の先行きは一層見通し難い状況となっており、先週のドル円については先述の良好な米経済指標の発表を受けても直近高値である111.83(8/29)を越えるには至っておらず、112円手前での上値の重さが意識される展開となっている。かかる中、引き続き焦点は米国を中心とする通商問題となるものとなりそうで、今後、トランプ政権が通商問題のターゲットを本格的に日本に向ける可能性も相応に考えられる状況下、ドル円については下落リスクが大きいものと見ている。

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