ドル円 新興国通貨主導でリスクオフの展開

新興国通貨主導でリスクオフの展開
東京
東京時間のドル円は111.69レベルでオープン。月末を控えたゴトー日となるこの日、本邦勢による実需フローが散見される中、ドル円は111.70付近で小刻みに推移。その後豪州にて発表された7月住宅着工件数や第2四半期設備投資などの経済指標が総じて市場予想を下回る内容となると、豪ドルが対ドルで急落、クロス円も下落する展開となりドル円も連れる格好に一時111.52まで軟化。その後ややレベルを戻すも、日経平均株価がオープンから上げ幅を縮小する動きが止まらず軟調推移となったこともあり、午後のドル円は上値重く横這い推移。特段目立った動きもなく、結局111.67レベルで海外に渡った。
東京時間:朝方には111円台後半で小幅推移していたドル円は、軟調な株価推移や月末に向けた実需筋のドル売りを受け、上値重い推移となり一時111円台半ばまで下落。ユーロ円も同様に上値重く、130円台後半での推移となった。
ロンドン
ロンドン市場のドル円は、111.67レベルでオープン。特段ドル円相場のドライバーとなるような材料がない中、じりじりと水準を下げる展開。欧州時間は111.41まで値を下げ、111.44レベルでNYに渡った。ユーロドルは、1.1696レベルでオープン。朝方に発表されたユーロ圏8月消費者信頼感は速報値と一致したことで特段のインパクトはなし。ポンドの上下に連れる展開となり1.1676から1.1718の間のレンジ感で取引され1.1687レベルでNYに渡った。ポンドドルは、1.3030レベルでオープン。EUバルニエ氏の発言で前日の急上昇に水を差される中で上値追いは限定的に。朝方に発表された英7月消費者向け融資が予想を下回ると、一時1.2990まで下落。その後は1.3の大台を回復し1.3016レベルでNYに渡った。
欧州時間:ドル円は円買い優勢の流れとなり、111円台前半まで続落。トルコ中銀の副総裁辞任のニュースが流れたことなどから新興国通貨が軟調推移となり、リスクオフの様相。ユーロも売られる形となり、ユーロ円は130円を割り込んだ。
ニューヨーク
トルコ中央銀行のキリミジ副総裁の辞任報道や、アルゼンチンのマクリ大統領がIMFに500億ドルの支援融資の前倒しを要請したことが報道される中、海外市場ではトルコリラ、アルゼンチンペソ等の新興国通貨売り主導で円が買われたことから、ドル円は111.41まで下落し、111.44レベルでNYオープン。朝方発表された米経済指標の結果は市場予想範囲内だったことからドル円の反応は限定的だったが、海外時間の円買い地合いが継続し111.14まで下落する。一旦111.26まで戻すが、「トランプ大統領が来週にも2000億ドルの対中関税発動を支持」とのヘッドラインが流れ、米中貿易摩擦激化への懸念からドル円は円買いが強まり、一時110.95まで下値を切り下げ。結局111.00レベルでクローズ。一方、海外時間のユーロドルは一時1.1718まで上昇するが、前日にブレグジット交渉の合意に対し、前向きな姿勢を示したバルニエEU主席交渉官の「合意なき英離脱は依然あり得る」と発言したことや、一部欧州金融機関がトルコリスクを抱える中トルコリラの売りが加速したことから、1.1676まで下落し、1.1687レベルでNYオープン。リスクオフムードが広がる中、朝方は海外時間の流れを引き継ぎ1.1642まで下落する。午後は米国の対中追加関税の報道を受け、ドル売りが強まったことから、ユーロドルは1.1679まで戻し、1.1671レベルでクローズ。なおこの日は、アルゼンチン中央銀行がアルゼンチンペソ安に歯止めをかけるため、政策金利を45%から60%へ引き上げたものの、その後もペソ安が進み対ドルで過去最安値を更新した。
NY時間:アルゼンチン中銀が利上げとの報道や、トランプ大統領が中国からの輸入品2000億ドル相当への関税を発動したい考え、との一部報道などからリスクオフが加速。円買い主導の展開となり、ドル円は111円ちょうど付近、ユーロ円は129円台半ば付近まで下落した。
足もとのドル円相場の推移を見ると、通商問題(貿易問題を巡る米中の対立、NAFTA再交渉の進展等)、Fedの金融政策を巡る思惑(米利上げ終了観測、トランプ米大統領による利上げ牽制発言等)から米ドル主導の展開が続いている。特にリスク回避ムードが高まった際のドル高が目立っており、ドルと円の相関性が強まっている印象を受ける。通商問題を巡っては昨日、「トランプ米大統領が来週にも中国からの輸入品年間2000億ドル相当分に対し、第3弾となる制裁関税の発動を表明したい意向」と報道された。既に米政権は500億ドル相当分に対し制裁関税を課していることから、実現すれば米国の中国からの輸入額約5000億ドルのほぼ半分に対し制裁関税を課すこととなる。米中の対立が長期化する中、中国経済に比し米国経済が優勢との構図ができつつある。中国経済については上海総合指数が年初来高値から8月30日までおよそ23%下落しており、人民元の対ドルでの下落も顕著となっている状況。方や米国経済は足もと発表された経済指標は堅調な結果が相次いでおり、米国の景気拡大局面歴代最長の更新を窺う勢いを見せている。かかる中、通商問題における米中対立の激化からの相対的な米ドル高という流れが形成されている状況であり、このような動きは足もとの新興諸国の経済減速が世界経済広範に広がる展開となるまでは継続するものと考えている。目先、ドル円についてはレンジ推移が続くものと想定する。

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