ドル円は下落リスクが多い。

ドル円は下落リスクが多い。
アジア時間、113.72レベルで取引を開始したドル円は中国人民銀行による預金準備率引き下げを背景にシカゴ日経平均先物が強含みで推移したことでじり高となり、113.94まで上昇。しかしその後は東京が祝日で休場の中、買い一巡後は上海株の下落が重石となり徐々に軟化し、113.82レベルで海外に渡った。ロンドン市場のドル円は、113.82レベルでオープン。日米が休場のため市場参加者が乏しい中、独8月鉱工業生産指数が自動車セクターの生産ペースの鈍化等を背景に、前月比-0.3%と予想外の低下(予想:0.3%上昇)を示すと、リスク回避の円買いが加速。113.25まで売られ、113.38レベルでクローズした。ユーロドルは、1.1506レベルでオープン。イタリア懸念等が圧迫し、ユーロ圏10月センティック投資家信頼感指数が9月の12.0から11.4に低下(予想:11.6)すると1.1460まで軟調に推移。ECB理事会メンバーのクノットオランダ中銀総裁がECBが来年1月に利上げのタイミングに関する討議を開始する必要があるとの見方を示したが反応は限定的。LDN午後は閑散ムードの中、1.1493でクローズ。ポンドドルは、1.3092レベルでオープン。英紙が、今週は英EU離脱相がブリュッセルで会談する予定が入っていないと指摘すると、交渉の進捗が期待できないことからかポンドが下落。スコットランドのニコラ・スタージョン第一首相がEU離脱後もEUルールを合致させる解決方法(バックストップオプション条項)がスコットランドに適用されるべきと発言したことも売りに拍車をかけ1.3029まで下落。LDN午後に入ると、EUが関税徴収を国境に限らないことを容認したとの英紙報道を背景にメイ英首相のチェッカーズ案(EUに代わり英国が関税徴収)が容認されたとの見方が可能となると買戻しが入り、1.3041でクローズ。ニューヨーク休場。先週のドル円は週初に114円台に乗せ、その後も113円台後半からから114円台前半での推移となった。貿易摩擦懸念の後退に加え、先週行われたパウエルFRB議長の講演で今後も緩やかな利上げの継続を指示するとの内容が伝わったこと、良好な米国指標の結果を受けた長期金利上昇からの上値追いが続き、先週高値114.55まで上昇した。113円台半ばで底堅く高値圏での推移を続けていたドル円だが、昨日は米株安を背景としたリスク回避の円買いが強まり、一時113円を割り込む相場展開となった。当面はこのように長期金利や株価の動向や、米国で発表される指標を見ながら推移していくと考えている。先週まで順調に上値を伸ばしてきただけに、昨日のようなドル円の下落リスクには注意しておく必要がある。金曜日には米雇用統計が発表され、失業率は市場予想を下回り48年ぶりの低水準となった。またNFPにおいては9月分の結果は市場予想を下回ったものの前回・前々回分が上方修正され、さらに平均時給は市場予想と一致した結果となったことから雇用市場が堅調であることが示された。この結果を受けて長期金利は3.23%と7年ぶりの水準まで上昇したが、金利上昇が株価を圧迫することを懸念して株価下落し、ドル円も下落した。今後もこのように長期金利が上昇しても、今年の年初に目立ってみられたように長期金利とドル円が逆相関し、ドル円が上昇しにくくなるという構図もあり得ると念頭にいれておく必要があると考えている。また9月のFOMCでは2021年での利上げ見通しが0回と、初めて利上げの終着点が示される形となった。足元は緩やかな利上げが維持されることを好感しドル買いとなる局面が見られた一方、先日のFOMCで示された利上げの終着点が市場に強く意識されるような展開ともなれば、利上げを期待したドル円の上昇には歯止めがかかることもあるのではないか。いずれにしても、先週までのドル円の高値圏での推移においての持続性は高くなく、ドル円が下落していくリスクを多くはらんでいると考えている。

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